- 利用サービス
- : ペイジー収納サービス
- 機関区分
- : 地方公共団体
- 利用形態
- : 直接収納機関
- 接続形態
- : 共同利用センター接続型
埼玉県戸田市役所様
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住民のライフスタイルに合わせ情報通信技術を活用した納税環境の整備、および、納税事務の効率化などを目的として、 平成26年5月からペイジー収納サービス、ペイジー口座振替受付サービス、クレジットカード収納を開始。収納率の向上や業務効率化などの効果を上げている。
導入の背景と経緯
「費用対効果以上に、市民サービスの向上や業務効率化を目指しました。」
「戸田市では昼間は都心へ勤務し、夜間に帰宅するというライフスタイルを持っている市民が多く、金融機関窓口での納付や夜間のコンビニ納付などの従来の納税環境には課題があり、
在宅で納付できるような納付手段には潜在的なニーズがありました。」と戸田市財務部収納推進室の有吉さんは話す。
「また、庁内では情報通信サービスを活用した市民サービスの高度化への対応や行政事務の効率化の観点から納税環境の整備について議論されており、
平成24年度から収税推進室※が主管課となり、納税環境の整備事業に着手することとなりました。」(有吉氏)ペイジー収納の導入は、市の各種行政計画や
行政改革プランの一事業として進めていくことになったという。
※戸田市では平成26年度に「収税推進室」から「収納推進室」に組織改正している。
―導入決定までの経緯
「新規事業の実現にあたっては、市の行政マネジメントシステムにもとづき、平成24年6月に事業の概要を策定し、同年7月に市長説明、9月に予算要求を行い、 11月に予算編成内示に至りました。」(有吉氏)「予算として主に計上した費用は、ペイジーとクレジットカード収納に対応するための基幹システム構築費用や 委託費用でした。」(有吉氏)
―サービス開始までの行程について
「ペイジー収納の導入はそんなに難しい作業ではありませんでした。」
「ペイジー収納の導入は大変というイメージがありましたが、各種申請などの導入手続きのスキームやスケジュールが確立していたこと、 指定金融機関の協力が大きかったこと、共同利用センターの担当者が親身にサポートしてくれたことなどにより、担当者としては導入が 大変であったとは感じていません。」(吉野氏)
主管課である収税推進室では、途中入れ替わりがあったが、有吉氏と吉野氏の2名が中心で準備を進めていったという。
「ペイジー収納の導入にあたっては、指定金融機関やゆうちょ銀行をはじめ、基幹システム事業者や共同利用センターなど、
対外的な調整が多岐にわたって発生しますので、庁内での役割分担やタスク管理が重要になります。戸田市では、収税推進室が関係各課の作業について、
一元的にタスク管理を行いました。」(吉野氏)
「関係事業者からは様々な提案やフォローはありましたが、徴収の観点から見た効率の良い運用は職員が考えなければなりません。
そこで、戸田市では既にペイジーを導入されている自治体に照会を行い、運用やルールについてアドバイスをもらうなど、大変参考にさせて頂きました。」(吉野氏)
「具体的な庁内作業としては、庁内関係者での進捗確認会議の実施、各種事務取扱要綱の制定、資金決済スケジュール等の検討、納付書レイアウトの検討等で 、時間がかかる作業もあるのでスケジュールを厳密に管理しながら進めました。」(吉野氏)
特に、納付書レイアウトについては、納付書業者選定からゆうちょ銀行での確認、読取り試験などの作業が発生するため、 レイアウト確定まで半年以上かかったと吉野氏は振り返る。
「また、ペイジー収納用の番号生成や納付書発行に係るシステム対応を行いました。戸田市の場合、特に徴収業務を中心としたシステム設計を行ったことで、 業務効率化や市民サービス向上に繋げることができたと思います。」(吉野氏)
―導入に係る経費について
「"ペイジー収納の導入は高い"というイメージがありますが、実際にかかるのは基幹システムの開発費用がほとんどでした。 戸田市の場合、基幹システムを独自にカスタマイズしていたこともあり若干費用がかさんだ部分はありましたが、 システム更改のタイミングに合わせれば、そこまで高くなることは無いと思います。」(吉野氏)
戸田市のイニシャルコスト(ペイジー口座振替受付サービス、クレジットカード収納含む)における"基幹システム開発費用"は、全体コストの75%を占めたという。 システム更改のタイミングに合わせれば、数百万円での対応も可能であると吉野氏は話す。
「また、ランニングコストですが、戸田市の場合、ペイジー収納とコンビニ収納をそれぞれ基本料金と1件あたりの手数料で比較すると、 5万件以上の利用からペイジー収納の方が安くなります。」(吉野氏)
ペイジー収納の利用状況と導入効果
「収入未済額の圧縮や業務効率化に効果あり。」
「ペイジー収納開始に伴い、新聞やホームページへの掲載や納税通知書にリーフレットを同封するなどの媒体による広報や、 戸田公園駅でペイジー収納開始をPRするキャンペーンを実施したり、指定金融機関で利用促進キャンペーンを行うなど、 直接的な広報も積極的に実施しました。」(吉野氏)
このような広報効果もあり、主要4税を納付チャネル別に比較するとペイジー収納は取扱件数で9.5%、 取扱金額で17.5%となっている。利用の多くはATMからの納付だという。
各税目毎の利用状況を分析すると、ペイジーは固定資産税での利用が多く、特に高額な納税に利用されていることがわかった。
「具体的な導入の効果として、ペイジー収納導入前の平成25年度と導入後の26年度における収入未済額(主要4税合算)を見てみると、 導入後に7.9%(約6,000万円)圧縮されるなどの効果を挙げています。」(吉野氏)
「また、ペイジー収納の利用が増え消込が電子化されたことで、納付書での消込件数が減少し、消込業務にあたっていた人件費を削減できました。 また、振込をされたい市民からの問い合わせが削減されるなど、市民サービス向上にも繋がったと考えています。更に迅速な収納情報の把握により、 督促状の発送件数の減少効果も挙げられます。」(吉野氏)
今後の展望など
「現在ペイジー収納は、市県民税(普通徴収)、固定資産税、軽自動車税、国民健康保険税に対応していますが、 今後は市県民税(特別徴収)や法人市民税への対応を検討していきたいと考えています。」(吉野氏)
このほかにも、ペイジー口座振替受付サービスの料金科目への拡大や、現在は銀行窓口でしか納税できない滞納者等への環境整備なども検討していくという。
ペイジー収納サービス導入をお考えの地方公共団体へのメッセージ
「ペイジー収納を導入してみて、デメリットもトラブルも無いというのが印象です。ペイジー収納は収納率向上のみならず、 業務の効率化の効果もあるので、今後、導入のニーズは高まっていくと考えられます。導入にあたってはどうしてもコストが気になりますが、 先に述べたように基幹システム更改のタイミングなどでパッケージ標準に基づいて導入することで最小限のリソースで導入できると思います。 是非検討してみては如何でしょうか。」(吉野氏)
戸田市プロフィール
- 地方公共団体名
- :戸田市
- 市制施行
- :1966年10月
- 本庁舎所在地
- :〒335-8588 埼玉県戸田市上戸田1丁目18番1号
- 総人口
- :134,278人(2015年8月1日現在)
- ホームページリンク
- :http://www.city.toda.saitama.jp/
- マスコットキャラクター
- :トマピー、とだみちゃん
- おすすめスポット
- :戸田ボートコース、彩湖・道満グリーンパーク
- 主なイベント
- :戸田橋花火大会、戸田マラソンin彩湖、ふるさと祭り